1. めまい症状の特徴

めまいは、急に立ち上がった時にクラッとくる立ちくらみ、周囲がグルグルと回っているように感じる回転性めまい、体がフワフワとしてふらつくような浮動性のめまいなどがあります。

 

 

めまいを調べる場合、耳鼻科か内科(特に神経内科)を受診することが多いです。耳は平衡感覚を司っている部分があるため、耳の病気では平衡感覚がうまく働かず、地面が回るような感覚を自覚します。

 

内科(特に神経内科)の場合は、小脳という部分が間隔を感知したりバランスをとっており、小脳の病気がないかを調べます。特に、手の震えを伴っていないかや、親指と人差し指をパチパチと合わせてみてぶれないか、という小脳失調症状がないか見たり、MRIで脳梗塞を起こしていないかを見ます。

 

時に不整脈を起こしてめまいがする場合があるため、そういった症状がないかを問診したり心電図をとり調べます。

 

それらを調べてみても、原因が分からない場合も多いです。貧血、低血圧や低血糖、不整脈、脳血管障害など、原因が明らかな場合は治療が可能ですが、原因が分からない場合も多いです。メニエール病などの耳の病気は除外診断的になることも多く、診断や治療に難渋することもあります。

 

 

  1. 西洋医学の治療

耳鼻咽喉科、神経内科、脳外科などで診療をします。平衡機能検査、聴力、血液、血圧、心電図、CTを使って検査をしていきます。明らかな原因がわかっている場合はその治療を優先にしますが、多くの場合で、明らかな病気が見つからず、根本的な治療方法は見つからないのが現状です。

 

例としては、めまい自体にメリスロン、セファドール、アデホスコーワ、カリクレインが処方されます。また、メニエール病には、イソバイドが処方されます。起立性低血圧には、リズミックやメトリジンが処方されることがあります。

 

 

  1. 漢方医学の治療

めまいが起こる原因は、東洋医学でいうところの気、血、水のうち、水のバランスが崩れることによって起こる「水毒」から生じるととらえます。また、血が滞ることによって起こる瘀血から生じる場合もあります。水毒がめまいに悪さをしている場合は、利水作用のある漢方薬で治療をします。瘀血が原因のめまいには、駆瘀血作用のある漢方薬で治療をします。

 

 

  1. めまいに対して用いられる主な漢方処方

水滞がある場合、回転性のめまいや立ちくらみには、苓桂朮甘湯や五苓散がよく用いられます。同じ水滞でも浮動性のめまいは真武湯が用いられます。

 

めまいに使用される代表的な漢方薬

苓桂朮甘湯の効果・効能や副作用、配合生薬

五苓散の効果・効能や副作用、配合生薬

真武湯の効果・効能や副作用、配合生薬

 

以下にタイプ別に用いられる漢方処方を挙げます。

  • 体力が充実しているタイプの人
  • 月経不順、更年期障害、便秘をともなう場合→通導散
  • のぼせ、頭痛、不安→女神散
  • 体力が中程度以上の人
  • 更年期障害、肩こり、疲労感→加味逍遙散
  • 更年期障害、のぼせ、頭重感、肩こり→桂枝茯苓丸
  • 口が渇く、吐き気、下痢、むくみ→五苓散
  • 動悸、吐き気、喉や食道につまった感じ→半夏厚朴湯
  • 体力がない人
  • 冷え、倦怠感、下痢→真武湯
  • 冷え、貧血、むくみ、月経不順、更年期障害→当帰芍薬散
  • 胃腸虚弱、頭痛、頭重感、冷え性→半夏白朮天麻湯
  • のぼせ、尿量減少、頭重感→苓桂朮甘湯

 

  1. そのほかライフスタイルで注意すること

過労、ストレス、睡眠不足が続くと、めまいが起こりやすい状態になります。規則正しい生活、十分な睡眠、健康的な食事、ストレスのない生活を送るようことが大切です。

 

参考文献

・NHKきょうの健康 漢方薬事典(主婦と生活社)
・漢方相談ガイド(南山堂)
・漢方薬・生薬の教科書(新生出版社)