いびきの原因

いびきの多くは、肥満や一時的な疲れ、鼻づまりや喉の炎症、腫れ等で、空気の通り道である気道が物理的に狭くなってしまうことが原因です。

 

いびきは、心臓病や脳卒中などの循環器病のリスクが高まる「睡眠時無呼吸症候群」を起こしている可能性もあります。

 

漢方では、「いびきだけ」対する効果効能を持つ薬はありません。しかし漢方薬には、肥満や鼻や喉の炎症や腫れ、疲労に対してアプローチができるため、それらのアプローチでいびきの改善を目指します。

 

特にいびきの原因が肥満の場合は、肥満は生活習慣病であるため、漢方の力だけでは改善しません。日々の不養生の積み重ねでついてしまった脂肪を元に戻すことは労力が必要で、漢方を始める場合はそれに加えて本人の健康に対しての意識を改めることも必要となってきます。

 

いびきにおすすめの漢方薬

防風通聖散』  ◇脂肪太りタイプの人に -

防風通聖散は18種類の生薬で構成され、日頃から脂身の多い肉や甘い物、冷たい物などの過食による栄養過剰が原因の肥満タイプに適しています。日々負担をかけ続けた結果、消化吸収機能が低下した胃腸には、飲食物がいつまでも残留し、それら体内で毒となり全身をめぐることになります。

 

防風通聖散はその毒素を汗や便、尿などで、体外に排出することが目的で作られた薬です。テレビのCMでも頻繁に登場し「肥満症に!」「お腹の脂肪を落とす!」などで目にしたことがある方も多いでしょう。

 

研究では、脂肪分解作用や脂肪燃焼効果などの薬理作用があることが確認されています。しかし、研究結果で実際にやせた場合も防風通聖散に加えて、管理された食事療法を併用して得られた結果です。今までの生活習慣を省みず、服用するだけで健康的に痩せる薬というわけではありません。

 

胃腸が著しく虚弱で、軟便や下痢気味の人には適していません。動悸、高血圧、狭心症など循環器系の障害がある人、腎障害がある人、甲状腺機能亢進症の人などは使用を控えるか、専門家に相談することをおすすめします。また甘草を含んでいるため、他の漢方薬との併用や甘草を含む食品の摂取に注意してください。

 

防風通聖散の効果・効能・配合生薬

 

 

防已黄耆湯』 ◇水太りタイプの人に -

虚弱体質で身体に冷えがあり、汗かきで、見た目は色白で筋肉の少ない「水太り」タイプの肥満に防已黄耆湯は適しています。漢方でいうと「気・血・水」の水に原因があります。

 

身体を冷やす甘い物や、砂糖入りの冷たい飲み物をよく摂るなど、食生活の不摂生が原因です。水太りの人は足が浮腫み、いつも身体が重だるく疲労しているので、身体を動かすことも殆どしません。そのため身体が冷えて胃腸の消化吸収機能も低下し、飲食物の水分や脂肪が体内に蓄積され肥満になります。

 

防已黄耆湯は6種類の生薬で構成されており、方剤名にもついている防已は、体の水分バランスと巡りをよくし、黄耆には出すぎる汗を止めたり、利尿を促す働きがあります。これら「利水」という働きで肥満を解消します。

 

甘草を含んでいるため、他の漢方薬との併用や甘草を含む食品の摂取に注意してください。また副作用として、間質性肺炎や肝機能障害が記載されています。

 

防已黄耆湯(ボウイオウギトウ)の効果・効能・配合生薬

 

 

補中益気湯』 ◇疲労が強く胃腸の調子が悪い人 –

外出から帰宅すると、疲れてすぐに横になりたくなるような事が普段からあり、胃腸の調子もすぐれない。肥満や鼻炎もないのに、時折「いびきがうるさい」と家族に言われてしまうような人に、補中益気湯は適しています。

 

補中益気湯の「中」「補」「益気」には、身体の真ん中にある胃腸の働きを補い、気を増すという意味があり、構成生薬の黄耆と人参がその力を発揮します。胃腸が元気になれば、食べたものをしっかり消化吸収し栄養にすることできるため、疲れにくい身体が出来ると考えられています。

 

補中益気湯のような疲れに加え、強い冷えを伴う人には十全大補湯が適しています。不安、不眠などの精神的な症状を伴う場合には、人参養栄湯もよいでしょう。

 

補中益気湯は甘草を含んでいるため、他の漢方薬との併用や甘草を含む食品の摂取に注意してください。また副作用として、間質性肺炎や肝機能障害が記載されています。

 

補中益気湯の効果・効能・配合生薬

 

 

葛根湯加川芎辛夷』 ◇鼻づまりが強く不快な人に –

葛根湯加川芎辛夷は、比較的体力のある人の鼻づまりによるいびきに適しています。構成生薬の辛夷と川芎が、鼻腔や副鼻腔の消炎を抑えることで、鼻づまりや頭痛、肩こりを解消します。

 

著しく胃腸が虚弱な人、発汗傾向の著しい人、高血圧、狭心症など循環器系の障害がある人、腎障害がある人、甲状腺機能亢進症の人などは使用を控えるか、専門家に相談することをおすすめします。また甘草を含んでいるため、他の漢方薬との併用や甘草を含む食品の摂取に注意してください。

葛根湯加川芎辛夷の効果・効能・配合生薬

 

 

いびきか与える悪影響では、2つのことを考えます。

1.周囲への影響(と自分)
2.健康への問題

周囲への影響というのは、いびきがうるさくて周りのひとの眠りに支障をきたしてしまったり、そのことで周りの人と自分との間でのトラブルが生じることです。

 

健康への問題は、主に無呼吸症候群に代表されるような、いびきによる高血圧や糖尿病や脂質異常症、動脈効果のリスク、仕事の効率低下・生産性低下などです。特に日中に眠気が出たり疲れやすいといったときには、いびきが病的なものか調べたほうが良いです。耳鼻科または呼吸器科で無呼吸症候群の有無の問診や検査ができるので、病院に電話で問い合わせてみましょう。PSGという検査ができる施設かどうかや病院の込み具合もあるので、いきなり受診するよりも話がスムースに進むことが多いです。