1. 症状の特徴

激しくのどが渇いたり、口の中の水分がなくなりカラカラの状態になる場合、なんらかの病気が原因であることもありますし、体調による場合もあります。口の乾きは唾液の減少によるもので、のどの渇きは水分の不足によるものとして区別します。

 

  1. 西洋医学の治療

口の乾きは口腔乾燥症という病気とらえられます。加齢による唾液の分泌の減少、水分の不足、糖尿病、鉄欠乏性貧血、バセドウ病、シェーグレン症候群、パーキンソン病、神経障害、睡眠時無呼吸症候群、喫煙、うつ病などの精神疾患から由来するもの、薬の副作用、放射線の副作用などが原因として考えられます。HIV感染症も口渇の原因になることがあります。

 

のどの渇きは、主に糖尿病、水分不足、薬やアルコールが原因になりえます。必ずしも病気なわけではなく、例えば塩分の濃いものを食べた翌日に喉が渇いたりするのは、体の浸透圧を保つために水分が必要なため起こっている自然な反応の場合もあります。

 

例えばシェーグレン症候群などの口の乾きに対しては、口腔粘膜保湿剤のサリグレン、エボザックが処方されます。その他には副作用が出る薬剤を変更したり、水分補給をしっかり取ることや、唾液腺をマッサージすることで口の乾きに対する処置をします。

 

  1. 漢方医学の治療

口の乾きは虚証タイプの人に多く、水を体内で循環できないために起こると考えられています。また、口の渇きは気、血、水のバランスが崩れて、水毒と気逆によって起こると考えられています。病名がついたあと、病気により治療で改善することもありますが、なかなか改善しない場合も多いです。その際に、漢方薬を使用することがあります。

 

  1. 口の乾燥、のどの渇きに対して用いられる主な漢方処方

以下にタイプ別に用いられる漢方処方を挙げます。

  • 体力が充実しているタイプの人
  • 蕁麻疹、ネフローゼ、肝硬変、口渇症状が激しい→茵蔯蒿湯
  • ほてりがある→白虎加人参湯
  • 体力が中程度以上の人
  • 蕁麻疹、むくみ、二日酔い→茵蔯五苓散
  • 体力がない人
  • 咳、痰、のぼせ→柴胡桂枝乾姜湯
  • 糖尿病、高血圧、前立腺肥大などの疾患もち→八味地黄丸
  • 体力無関係
  • 尿量少ない、吐き気、腹痛、むくみ→四苓湯

 

 

  1. ライフスタイルで注意すること

水分補給だけでなく、規則正しい生活、十分な睡眠、健康的な食事、ストレスのない生活を送ることが大切です。また、喫煙・アルコールを控えることも大切です。

口呼吸や、いびきも口の中の乾燥に影響を与えるため、口唇閉鎖や口唇テープなども効果的です。

 

参考文献

・NHKきょうの健康 漢方薬事典(主婦と生活社)
・漢方相談ガイド(南山堂)
・漢方薬・生薬の教科書(新生出版社)