湿疹には、いくつかの原因が考えられます。刺激の強い洗剤や毒を持つ植物や虫などに触れたことにより現れる湿疹や、食べ物や花粉、ハウスダスト、金属やゴム、衣類などが皮膚や粘膜に触れることで起こるアレルギー性湿疹、食生活の乱れやストレスなどから現れる湿疹などがあります。

 

いずれも痒みや痛みを伴うことがあり、症状は様々ですが、まずは湿疹の原因をはっきりさせることが大切です。

 

判断が難しい場合は、皮膚科を受診して治療を受けつつ、原因となる物質を取り除く対策が必要です。

 

 

しかし実際は、様々な原因や環境が複雑に絡み合って湿疹が現れることが多いため、原因が特定されないこともあり、痛みや炎症を取り去るだけの西洋薬では根本からの改善ができないことがあります。

 

「西洋薬を中止するとまた湿疹が出てくる」、「ずるずると治りが遅い」などがあれば、漢方薬を合わせて使うことは選択肢の一つになります。

 

湿疹によく使われる漢方薬は、身体の熱を冷まし炎症を抑え、血を補い元気をつける自然の生薬から構成されており、服用することで湿疹の回復を早め、身体にもともと備わっている皮膚のバリア機能や免疫力の向上が期待できます。

 

 

湿疹(皮膚炎)におすすめの漢方薬

温清飲』 ◇イライラタイプの乾燥による湿疹に ‐

温清飲は、体内の熱を取って心身ともにクールダウンさせる黄連解毒湯と、皮膚の乾燥や貧血の症状に用いられる四物湯の合方です。

 

体力は中等度くらいで、普段から皮膚の色つやがなく、のぼせがあり、イライラや精神不安などの症状を伴う人に適しています。女性の場合、月経不順や更年期障害などの症状を伴うことがあります。

 

構成生薬の当帰や地黄が血を補い皮膚に栄養を与え、川芎が血を巡らせ痛みをとり、黄連や黄芩、山梔子が身体の熱を取り皮膚の炎症を抑え、精神の安定を図ります。

 

胃腸が著しく虚弱な人、食欲不振や吐き気がある人は使用を控えてください。副作用として肝機能障害、消化器症状が記載されています。

 

 

当帰飲子』 ◇皮膚のバリア機能低下によるカサカサ湿疹に ‐

当帰飲子は、血の不足や働きが弱くなっている「血虚」の状態で、皮膚の血色がなく、乾燥してカサカサしているタイプで衣服など外からの刺激によって現れる湿疹やかゆみに適しています。

 

構成生薬の当帰や地黄が血を補い皮膚に栄養を与えて血虚を改善し、補中益気湯や十全大補湯などにも含まる黄耆は、気(パワー)を補い皮膚の栄養を改善します。血のめぐりがよくなれば、身体の冷えも改善されます。痒みは荊芥と連翹が取り去ります。

 

漢方薬の服用と合わせて、はちみつ、白きくらげ、牡蠣、胡麻、卵、豚肉などの身体を潤す食材や、山芋、なつめ、くこ、イワシ、鶏肉など、血や気を補う食材を積極的に摂ることも大切です。

 

 

体力のない人、食欲不振や吐き気がある人は注意が必要です。必ず専門家に相談するようにしてください。甘草を含んでいるため、他の漢方薬との併用や甘草を含む食品の摂取に注意してください。副作用として、ミオパチー、消化器症状などが記載されています。

 

 

清上防風湯』◇皮脂分泌バランスの乱れによる湿疹に ‐

清上防風湯はいわゆる「にきび」に使われる漢方薬です。体力中等度以上の人で赤みが強く化膿し、かゆみを伴う湿疹に適しています。普段から赤ら顔の若者男女で、隆起した赤い湿疹が顏や頭皮に現れるのが特徴です。

 

身体の表面(皮膚)にある熱を強力に冷ます連翹、余分な水を発散させかゆみを止める防風、炎症を鎮める黄連、黄芩などの生薬で構成されています。

 

症状が慢性化し、背中や胸のあたりに湿疹ができやすい場合は、荊芥連翹湯も検討するとよいでしょう。但し解毒と体質改善を行う薬であるため、しばらくの間服用を続ける必要があります。

 

 

甘草を含んでいるため、他の漢方薬との併用や甘草を含む食品の摂取に注意してください。副作用として、ミオパチー、肝機能障害、黄疸、消化器症状などが記載されています。

 

 

十味敗毒湯』 ◇急性の湿疹に ‐

十味敗毒湯は体質体格ともに中等度の人で、湿疹は限られた部分にのみ現れ、患部はジュクジュクと湿り、痒みや熱を持つような症状に適しています。

 

急性のアレルギー性皮膚症状にも使われる薬です。慢性化し痒みや痛みが皮膚に広がるようであれば、消風散を試してみるのもよいでしょう。完治しても再発を繰り返すようなことがあれば、体質から変えていく必要もあるため、体質改善を考慮した漢方薬を選ぶことも必要になってきます。

 

著しく胃腸虚弱の人は使用を控えてください。甘草を含んでいるため、他の漢方薬との併用や甘草を含む食品の摂取に注意してください。また副作用として、ミオパチー、消化器症状などが記載されています。

 

 

消風散』◇慢性の湿疹に ‐

患部が赤く熱を持ち分泌物が出ている状態であり、それが乾いてかさぶたが出来ても、治りきらず繰り返すような慢性化した湿疹に消風散は適しています。

 

また乾燥タイプのかゆみで当帰飲子や温清飲などを服用しても効果がみられなかった場合に消風散が効いたという例もあるようです。ただし石膏、地黄が含まれるため、胃腸の弱い人や身体の冷えが強い人には向いていません。

 

甘草を含んでいるため、他の漢方薬との併用や甘草を含む食品の摂取に注意してください。副作用として、ミオパチー、消化器症状などが記載されています。