症状の特徴

にきびは、顔面や胸、背中にある皮脂を分泌する毛穴に皮脂がたまることによってできます。にきび部分が細菌感染して炎症をおこすこともあります。主に思春期に多くみられる疾患ですが、大人でもできることがあり、大人にきびは「吹き出物」とも呼ばれます。

 

思春期にきびは、性ホルモンの増加が原因とされています。大人にきびの場合は、ホルモンバランスの崩れが原因と考えられています。

 

にきびは、必ずしも若い人にだけ見られるものではなく、寝不足、夜更かし、女性の場合は生理前によって悪化する場合が多いです。

 

 

にきびに対する西洋医学の治療

炎症を軽減し、瘢痕を残さないことを目的に治療をします。局所的な治療として、清潔に保ったうえで、にきびの膿を圧出したり、硫黄含有ローションや抗生物質、抗菌薬含有のローションなどの外用薬で治療をします。また、テトラサイクリンやエリスロマイシン、ミノサイクリンなどの抗生物質、ビタミンB2、B6などの内服で治療をします。

 

痕が残ってしまった場合は、ケミカルピーリングやレーザー治療などが用いられることもあります。

 

 

漢方医学の治療

漢方薬と洗顔などのスキンケアを続けたり、イオウを含むローションや抗生物質などの西洋薬との併用も効果的です。

 

漢方薬治療では、にきびだけに着目せず、全身の体質改善を目的に治療をしていきます。

 

にきびの原因が、胃腸の不調によるものか、便秘からきているのか、ホルモンバランスの崩れによるものかをみて漢方薬を選択します。

 

にきびの人は、胸脇苦満症状が見られることが多いため、柴胡剤が用いられる場合が多いです。その中でも、十味敗毒湯が最も多く使われます。にきびが多発し化膿傾向が強い場合に効果的です。

 

痒みが強くて口が渇く場合は、清熱作用のある白虎加人参湯を用います。

 

体力のある人で、皮膚が赤黒く炎症を起こしやすければ、細菌の増殖を抑え、熱を発散させる作用のある荊芥連翹が用いられます。また、のぼせや乾燥気味の場合は、血液循環をよくし、のぼせを抑える作用のある温清飲が用いられます。温清飲にはホルモンバランスを整える作用もあります。さらに、ホルモンバランスを整える作用をもつ桃核承気湯も効果的です。

 

体力のない人の場合は、十全大補湯で体力をつけたり、ホルモンバランスを整える当帰芍薬散を用います。

 

化膿を繰り返す場合は、紫雲膏の外用薬が用いられることもあります。紫雲膏は漢方薬の軟膏として有名で、火傷、あかぎれ、しもやけ、魚の目、痔、アトピーによる肌荒れ、にきび、口内炎、床ずれなど様々な皮膚疾患に用いられています。

 

 

にきびに対して用いられる主な漢方処方

以下に体力別に用いられる漢方処方を挙げます。

  • 体力がある人
  • 皮膚が乾燥気味、のぼせがある→温清飲
  • のぼせ、イライラ、湿疹、口内炎→黄連解毒湯
  • 赤ら顔、のぼせ、便秘→桃核承気湯
  • 体力が中程度の人
  • 赤にきび、赤ら顔、のぼせ→桂枝茯苓丸
  • 赤にきび、化膿している、赤ら顔、のぼせ→桂枝茯苓丸加薏苡仁
  • 繰り返し起こるにきび、化膿している→十味敗毒湯
  • 化膿している、患部が赤い、便秘傾向→治頭蒼一方
  • 皮膚が浅黒い、慢性化した湿疹→荊芥連翹湯
  • 体力がない人
  • 血色不良、むくみ、疲労感、貧血、冷え、にきび、シミ→当帰芍薬散
  • 水太り、多汗、むくみ→防已黄耆湯

  

ライフスタイルで注意すること

夜更かしや寝不足をしないように注意をすることが大切です。また、甘いものや油ものの摂取には気を付けることも大切です。洗顔をして清潔にすることも大切ですが、しすぎると、かえって皮膚のバリアーを壊してしまい、にきびができやすくなることもあるため注意が必要です。

 

参考文献

・漢方薬・生薬の教科書(新生出版社)
・漢方薬事典(主婦と生活社)