1. 清心蓮子飲の特徴

胃腸が虚弱で、慢性化した泌尿器疾患のある人に用いられる漢方薬です。尿が混濁したり、残尿感、排尿力が弱い、米のとぎ汁のような帯下、性機能障害性に使用されます。

 

清心蓮子飲は、四君子湯(シクンシトウ)を基礎にした処方で、八味丸(ハチミガン)を使うと胃腸障害が出る人に用います。

 

中国・宋時代の「和剤局方(ワザイキョクホウ)」に記されています。

 

 

次のような人に有効です。

・全身倦怠感
・口や舌が渇く
・残尿感、排尿力の減退
・帯下
・男性性機能低下

 

 

  1. 清心蓮子飲の作用

蓮肉(レンニク)黄芩(オウゴン)、地骨皮(シコッピ)は熱をさます作用があります。

 

麦門冬(バクモンドウ)は体液の産生を促進する作用があります。

 

茯苓(ブクリョウ)、車前子(シャゼンシ)は利水作用があります。

 

人参(ニンジン)、黄耆(オウギ)、甘草(カンゾウ)は体力を増進する作用があります。

 

 

  1. 清心蓮子飲の成分

清心蓮子飲は、下記の9種類の生薬からなります。

 

・麦門冬(バクモンドウ):ユリ科ジャノヒゲの根を乾燥させたもの。薬効は、熱を除き、肺を潤して咳を止める作用があります。

・茯苓(ブクリョウ):サルノコシカケ科マツホドの菌核。薬効は、利尿作用、健胃作用があります。また、浮腫、めまい、胃内停水、精神安定のために用いられます。:セリ科

・黄芩(オウゴン):シソ科コガネバナの根を乾燥させたもの。薬効は、熱を除き、イライラや炎症を抑える作用があります。

・人参(ニンジン):ウコギ科オタネニンジンの根を乾燥させたもの。薬効は、免疫機能を賦活し、体力を増進する作用があります。

・黄耆(オウギ):マメ科キバナオウギの根を乾燥させたもの。薬効は、気を補い、汗をとめ、腫れを抑える作用があります。

・甘草(カンゾウ):マメ科カンゾウの根を乾燥させたもの。薬効は、消化を整え、痛みを止める作用、のどの痛みを止める作用があります。

・蓮肉(レンニク):マスイレン科の種子。薬効は、消化を整え、下痢を止めたり、精神を安定させる作用があります。

・地骨皮(ジコッピ):ナス科クコの根を乾燥させたもの。薬効は、肺や皮膚の熱を冷ます作用があります。

・車前子(シャゼンシ):オオバコ科オオバコの種子。薬効は、熱を除き、水分の循環をよくして、下痢を止める作用があります。

 

 

  1. 清心蓮子飲の副作用

配合生薬の甘草(主な成分はグリチルリチン酸)の大量服用により、むくみが出たり、血圧が上る「偽性アルドステロン症」と呼ばれる症状がでる可能性があります。甘草が含まれている他の漢方薬や、グリチルリチン酸を長期で服用する際は注意が必要です。

 

間質性肺炎と肝機能障害の副作用の報告があります。

 

 

  1. 清心蓮子飲の服用方法

ツムラ清心蓮子飲エキス顆粒によると、通常、成人1日7.5gを2~3回に分割し、食前又は食間に経口服用するとされています。年齢、体重、症状により適宜増減してください。
基本的に漢方エキス製剤は、お湯に溶かしてから服用すると良い効果が期待されます。

 

 

参考文献

・漢方薬の選び方・使い方(土屋書店)
・治りにくい病気の漢方治療(創元社)
・漢方相談ガイド(南山堂)
・NHKきょうの健康 漢方薬事典(主婦と生活社)
・今日から使える漢方薬のてびき(講談社)