五積散の特徴

水分代謝をよくするもの、胃腸の働きをよくするもの、血行をよくするものなど、多くの生薬の配合でできている漢方薬です。腰痛、関節痛、神経痛、生理痛、更年期障害、胃腸炎などに用います。

 

中国・宋時代の「和剤局方(ワザイキョクホウ)」に記されています。

 

次のような人に有効です。

 

・体力が中程度
・冷え性
・疲れやすい
・胃腸が弱い

 

五積散の作用・効果

蒼朮(ソウジュツ)、生姜(ショウキョウ)、大棗(タイソウ)、甘草(カンゾウ)は胃腸の働きを助けて、体内の余分な水分を排泄する作用があります。

 

半夏(ハンゲ)、茯苓(ブクリョウ)、桔梗(キキョウ)、白芷(ビャクシ)は痰を取る作用があります。

 

当帰(トウキ)、川芎 (センキュウ)、芍薬(シャクヤク)は血行を良くする作用があります。

 

麻黄(マオウ)、桂皮(ケイヒ)は体をあたためる作用があります。

 

枳実 (キジツ)、厚朴(コウボク)、陳皮(チンピ)は気をめぐらせる作用があります。

 

五積散の腰痛に対する効果

中年の女性が、慢性腰痛で困っている場合に五積散を使うことがあります。五積散は上半身がほてり、下半身が冷えるいわゆる上熱下冷の方に特に向いています。

 

 

五積散の成分・効能

五積散は、16種類の生薬からなります。

 

・蒼朮 (ソウジュツ):キク科ホソバオケラの根茎を乾燥させたもの。薬効は関節などの水分の循環をよくし、消化を整える作用があります。

・陳皮 (チンピ):ミカン科ウンシュウミカンの果皮を乾燥させたもの。薬効は、消化を整え、痰や咳を鎮める作用があります。

・当帰 (トウキ):セリ科トウキの根を乾燥させたもの。薬効は、血を補い、血液循環をよくし、痛みを止める作用があります。

・半夏 (ハンゲ):サトイモ科カラスビシャクの塊茎を乾燥させたもの。薬効は、痰や咳を鎮め、吐き気を抑える作用があります。

・茯苓 (ブクリョウ):サルノコシカケ科マツホドの菌核を乾燥させたもの。薬効は、水分の循環をよくし、消化を整える作用があります。胃炎、胃もたれやむくみなどに効果があります。

・甘草 (カンゾウ) :マメ科のカンゾウの根や根茎を乾燥させたもの。薬効は、疼痛緩和の他、緊張を緩める働きがあります。

・桔梗 (キキョウ):キキョウ科キキョウの根を乾燥させたもの。薬効は、痰を鎮めて、膿を出して腫れを抑える作用があります。

・枳実 (キジツ):ミカン科ダイダイの未熟果実を乾燥させたもの。薬効は、痰を鎮め、イライラを抑える作用があります。

・桂皮 (ケイヒ) :クスノキ科カヅラの木の樹皮を乾燥させたもの。薬効は、体を温め、痛みを止め、血行を改善し、動悸を抑える作用があります。

・厚朴 (コウボク):モクレン科ホオノキの樹皮を乾燥させたもの。薬効は、胃もたれ、吐き気、咳、イライラ感を抑える作用があります。

・芍薬 (シャクヤク):ボタン科シャクヤクの根を乾燥させたもの。薬効は、熱を除き、血液循環をよくし、痛みを止める作用があります。

・生姜 (ショウキョウ):ショウガ科ショウガの根茎を乾燥させたもの。薬効は、腹部を温め、発汗させ、嘔気を止める作用があります。

・川芎 (センキュウ):セリ科センキュウの根茎を乾燥させたもの。薬効は、血液循環をよくし、痛みを止める作用があります。

・大棗(タイソウ):クロウメモドキ科ナツメの果実。薬効は、消化を補い、精神を安定させる作用があります。

・白芷 (ビャクシ):セリ科ヨロイグサの根を乾燥させたもの。薬効は、体を温めて痛みを止め、排膿を促す作用があります。

・麻黄 (マオウ) :マオウ科マオウの茎を乾燥させたもの。薬効は、発汗作用、気管を広げ、咳を止める作用があります。

 

 

五積散の副作用

虚弱体質の人や発汗の多い人は適しません。

 

胃腸の弱い人が服用すると、食欲不振、腹痛、下痢などが起こることがあります。当帰、川芎、麻黄は胃腸障害を起こすおそれがある生薬として知られており、体質が合わない場合にはそれらの症状が出てこないかみていきましょう。

 

麻黄が含まれていますので、不眠、発汗過多、頻脈、動悸、血圧上昇などの副作用が起こる可能性があります。高血圧や心臓病の既往歴のある人は注意が必要です。

 

麻黄を含む他の漢方薬、エフェドリン類含有製剤、MAO阻害薬、カテコールアミン製剤、キサンチン系製剤を服用している人の併用は注意してください。

 

配合生薬の甘草(主な成分はグリチルリチン酸)の大量服用により、むくみが出たり、血圧が上る「偽性アルドステロン症」と呼ばれる症状がでる可能性があります。甘草が含まれている他の漢方薬や、グリチルリチン酸を長期で服用する際は注意が必要です。

 

排尿困難の報告もあり、麻黄がその原因と考えられていますので、きちんと尿がでるか確認する必要もあります。

 

五積散の服用方法

ツムラ五積散エキス顆粒によると、通常、成人1日7.5gを2~3回に分割し、食前又は食間に経口服用するとされています。年齢、体重、症状により適宜増減してください
基本的に漢方エキス製剤は、お湯に溶かしてから服用すると良い効果が期待されます。