1. 柴朴湯の特徴

喘息の発作予防や、風邪でこじれた咳に用いられる漢方薬です。気分がふさぎ、のどに異物感があり、風邪をひきやすく、ときにめまいや動悸、吐き気をともなう人に効果的です。

 

小柴胡湯(ショウサイコトウ)半夏厚朴湯(ハンゲコウボクトウ)を合わせた処方です。

 

江戸時代の「本朝経験方(ホンチョウケイケンホウ)」に記載されています。

 

 

次のような人に有効です。

・食欲不振
・咽頭部に異物感がある
・吐き気
・胃腸虚弱
・精神不安

 

 

  1. 柴朴湯の作用

柴胡(サイコ)、厚朴(コウボク)、蘇葉(ソヨウ)は気をめぐらせ、気分をのびやかにする作用があります。

 

黄芩(オウゴン)は熱をさまし、イライラや炎症を抑える作用があります。

 

茯苓(ブクリョウ)、半夏(ハンゲ)、生姜(ショウキョウ)は痰を去り、悪心を止める作用があります。

 

人参(ニンジン)、大棗(タイソウ)、甘草(カンゾウ)は胃腸の働きを助け、体力を増進する作用があります。

 

 

  1. 柴朴湯の成分

柴朴湯は、下記の10種類の生薬からなります。

 

・柴胡(サイコ):セリ科ミシマサイコの根を乾燥させたもの。薬効は、炎症を抑え、ストレスを解除する作用があります。

・半夏(ハンゲ):サトイモ科カラスビシャクの塊茎を乾燥させたもの。薬効は、咳や痰を止め、吐き気を抑える作用があります。

・茯苓(ブクリョウ):サルノコシカケ科マツホドの菌核を乾燥させたもの。薬効は、水分の循環をよくし、消化を整える作用があります。

・黄芩(オウゴン):シソ科コガネバナの根を乾燥させたもの。薬効は、熱を除き、イライラや炎症を抑える作用があります。

・厚朴(コウボク):モクレン科ホオノキの樹皮。薬効は、胃もたれ、吐き気、咳、イライラ感を抑える作用があります。

・大棗(タイソウ):クロウメモドキ科ナツメの果実。薬効は、消化を補い、精神を安定させる作用があります。

・人参(ニンジン):ウコギ科オタネニンジンの根を乾燥させたもの。薬効は、免疫機能を賦活し、体力を増進し、消化を補う作用があります。

・甘草(カンゾウ):マメ科カンゾウの根を乾燥させたもの。薬効は、消化を整え、痛みを止める作用があります。

・蘇葉(ソヨウ):シソ科シソの葉。薬効は、皮膚を温め、軽く発汗させ、胃腸の機能を改善する作用があります。

・生姜(ショウキョウ):ショウガ科ショウガの根茎を乾燥させたもの。薬効は、腹部を温め、発汗させ、嘔気を止める作用があります。

 

 

  1. 柴朴湯の副作用

配合生薬の甘草(主な成分はグリチルリチン酸)の大量服用により、むくみが出たり、血圧が上る「偽アルドステロン症」と呼ばれる症状がでる可能性があります。甘草が含まれている他の漢方薬や、グリチルリチン酸を長期で服用する際は注意が必要です。

 

 

  1. 柴朴湯の服用方法

ツムラ柴朴湯エキス顆粒によると、通常、成人1日7.5gを2~3回に分割し、食前又は食間に経口服用するとされています。年齢、体重、症状により適宜増減してください。
基本的に漢方エキス製剤は、お湯に溶かしてから服用すると良い効果が期待されます。

 

参考文献

・今日から使える漢方薬のてびき(講談社)
・漢方薬の服薬指導(南山堂)
・治りにくい病気の漢方治療(創元社)
・漢方薬の選び方・使い方(土屋書店)
・漢方相談ガイド(南山堂)