1. 五虎湯の特徴

熱感があり、汗ばんで、口が渇き、空咳や喘鳴がする場合に用いられる漢方薬です。気管支喘息にも応用されます。特に、小児の喘息に効果があります。肥満していて、健康そうに見え、水をよく飲む人の咳によく用いられます。

 

咳に痰が伴う場合は、二陳湯(ニチントウ)を加えて用います。

 

中国・明時代の「万病回春(マンビョウカイシュン)」に記されています。

 

 

次のような人に有効です。

・激しい咳
・発汗
・口が渇きやすい
・水をよく飲む
・肥満

 

 

  1. 五虎湯の作用

麻杏甘石湯(マキョウカンセキトウ)に桑白皮(ソウハクヒ)を加えた処方です。麻杏甘石湯より肺の熱をさます作用が強くなっています。

 

桑白皮、杏仁(キョウニン)、麻黄(マオウ)は咳や痰を抑える作用があります。

 

石膏(セッコウ)は体液の産生を促し、熱をさます作用があります。

 

甘草(カンゾウ)は他の生薬との調和作用があります。

 

 

3.五虎湯の成分

五虎湯は、下記の5種類の生薬からなります。

・石膏(セッコウ):硫酸カルシウム。薬効は、熱を除き、体液の産生を促す作用があります。

・杏仁(キョウニン):バラ科アンズの種子。薬効は、咳を止め、腸を潤し便通を良くする作用があります。

・麻黄(マオウ):マオウ科マオウの茎を乾燥させたもの。薬効は、発汗作用、気管を広げ、咳を止める作用があります。

・桑白皮(ソウハクヒ):クワ科カラグワの根を乾燥させたもの。薬効は、痰や咳を抑え、水分の循環を良くする作用があります。

・甘草(カンゾウ): マメ科カンゾウの根を乾燥させたもの。薬効は、消化を整え、痛みを止める作用があります。

 

 

4.五虎湯の副作用

麻黄が含まれていますので、不眠、発汗過多、頻脈、動悸、血圧上昇などの副作用が起こる可能性があります。高血圧や心臓病の既往歴のある人は注意が必要です。

麻黄を含む他の漢方薬、エフェドリン類含有製剤、MAO阻害薬、カテコールアミン製剤、キサンチン系製剤を服用している人の併用は注意してください。

 

桃仁(成分は青酸配糖体のアミグダリン)は、過量投与で腹痛、下痢、胃腸障害が起こる場合があります。さらに、子宮収縮作用、下腹部の充血作用があるので、下痢傾向の人や、妊娠している人には適しません。

 

また、配合生薬の甘草(主な成分はグリチルリチン酸)の大量服用により、むくみが出たり、血圧が上る「偽性アルドステロン症」と呼ばれる症状がでる可能性があります。甘草が含まれている他の漢方薬や、グリチルリチン酸を長期で服用する際は注意が必要です。

 

 

5.五虎湯の服用方法

ツムラ五虎湯エキス顆粒によると、通常、成人1日7.5gを2~3回に分割し、食前又は食間に経口服用するとされています。年齢、体重、症状により適宜増減してください。
基本的に漢方エキス製剤は、お湯に溶かしてから服用すると良い効果が期待されます。五虎湯は「清熱剤」ですので、お湯に溶かした後、冷やして服用するとより効果的です。

 

参考文献

・今日から使える漢方薬のてびき(講談社)
・漢方薬の服薬指導(南山堂)
・治りにくい病気の漢方治療(創元社)
・漢方薬の選び方・使い方(土屋書店)
・漢方相談ガイド(南山堂)