1. 平胃散の特徴

暴飲暴食などによる胃の荒れや、急性胃腸炎によく用いられる漢方薬です。他にも、急性・慢性の胃カタル、胃アトニー、消化不良、食欲不振などに効果があります。

 

平胃散と五苓散(ゴレイサン)を合わせると、胃苓湯(イレイトウ)になります。また、藿香正気散(カッコウショウキサン)と五積散(ゴシャクサン)は平胃散を基本にした漢方薬です。

 

中国・宋時代の「和剤局方(ワザイキョクホウ)」に記されています。

 

次のような人に有効です。
・食欲不振
・腹部膨満感
・消化不良
・胃がもたれる
・食後にぐるぐると腹が鳴って下痢する

 

 

  1. 平胃散の作用

蒼朮(ソウジュツ)は胃腸の働きを助けて、余分な水を排泄する作用があります。

 

厚朴(コウボク)、陳皮(チンピ)は気をめぐらせて、食欲を増進する作用があります。生姜(ショウキョウ)、大棗(タイソウ)、甘草(カンゾウ)は胃腸を助けて、他の生薬の作用を増強する作用があります。

 

 

  1. 平胃散の成分

平胃散は、下記の6種類の生薬からなります。

・蒼朮(ソウジュツ):キク科ホソバオケラの根茎を乾燥させたもの。薬効は、関節などの水分の循環をよくし、消化を整える作用があります。

・厚朴(コウボク):モクレン科ホオノキの樹皮を乾燥させたもの。薬効は、胃もたれ、吐き気、咳、イライラ感を抑える作用があります。

・陳皮(チンピ): ミカン科ウンシュウミカンの果皮を乾燥させたもの。薬効は、消化を整え、咳や痰を鎮める作用があります。

・大棗(タイソウ):クロウメモドキ科ナツメの果実。薬効は、消化を補い、精神を安定させる作用があります。

・甘草(カンゾウ):マメ科の甘草の根や根茎を乾燥させたもの。薬効は、疼痛緩和の他、緊張を緩める働きがあります。

・生姜(ショウキョウ):ショウガ科ショウガの根茎を乾燥させたもの。薬効は、部を温め、発汗させ、嘔気を止める作用があります。

 

 

4.平胃散の副作用

配合生薬の甘草(主な成分はグリチルリチン酸)の大量服用により、むくみが出たり、血圧が上る「偽性アルドステロン症」と呼ばれる症状がでる可能性があります。甘草が含まれている他の漢方薬や、グリチルリチン酸を長期で服用する際は注意が必要です。

 

 

5.平胃散の服用方法

ツムラ平胃散エキス顆粒によると、通常、成人1日7.5gを2~3回に分割し、食前又は食間に経口服用するとされています。年齢、体重、症状により適宜増減してください。
基本的に漢方エキス製剤は、お湯に溶かしてから服用すると良い効果が期待されます。

 

参考文献

・NHKきょうの健康 漢方薬事典(主婦と生活社)
・今日から使える漢方薬のてびき(講談社)
・漢方薬の服薬指導(南山堂)
・治りにくい病気の漢方治療(創元社)
・漢方薬の選び方・使い方(土屋書店)
・漢方相談ガイド(南山堂)
・漢方薬・生薬の教科書(新星出版社)