清上防風湯の特徴

清上防風湯は、顔の熱や炎症をとる作用があります。顔の皮膚病、とくにニキビなどや、化膿した湿疹などに使用される漢方薬です。「清上」は、体の上部を清涼にする(熱や炎症をさます)という意味です。上半身、特に顔に出来たニキビに使用されます。

 

中国・明時代の「万病回春(マンビョウカイシュン)」に記されています。

 

次のような人に有効です。

 

・体力がある人
・赤ら顔の人
・のぼせがある
・顔面が脂っぽい方のニキビ

 

 

清上防風湯の作用・効果

黄芩(オウゴン)、黄連(オウレン)、連翹(レンギョウ)、山梔子 (サンシシ)は、熱をさまし、炎症を抑える作用があります。桔梗(キキョウ)、枳実(キジツ)は排膿して、腫れを抑える作用があります。

 

川芎 (センキュウ)は血行をよくする作用があります。防風(ボウフウ)、白芷 (ビャクシ)、荊芥(ケイガイ)、薄荷(ハッカ)は、皮膚の湿疹を治し、かゆみや痛みを抑える作用があります。甘草(カンゾウ)は、炎症を抑え、他の生薬との調和作用があります。

 

体の上半身の熱を冷ます働きがあることから、顔のニキビ(大人ニキビ)などに使用される他、副鼻腔炎(蓄膿)などにも使用されます。

 

ニキビに使用される他の漢方薬としては

桂枝茯苓丸・・栄養状態良好な女性で、赤黒いニキビで、毛細血管が怒張するようないわゆる「瘀血(おけつ)」の所見がある方向け

当帰芍薬散・・栄養状態がやや悪い女性で、赤みがそれほど強くない(白ニキビ)に向いており、体質的に冷え性で月経不順がある方向け

十味敗毒湯・・化膿がとても強い場合で、顔のノボせる感じが強くない方向け。ニキビに十味敗毒湯を用いたときの効果についてランダム化比較試験(質の高いとされる研究方法)で検証されたデータがある(大熊守也.和漢医薬学雑誌.1993,10(2), p.131.)。抗生剤と同程度の奏功率という報告があります。化膿の初期には十味敗毒湯、少し慢性化してまだ炎症が強い場合に清上防風湯と使い分けます(生薬の配合では、急性の炎症に清上防風湯は向いているのですが、十味敗毒湯がニキビの第一選択として選ばれることが実際は多いです。)。

防風通聖散・・栄養状態良好で肥満傾向で、皮膚所見は赤みのある方向け

黄連解毒湯・・のぼせや顔の赤みが強く、便秘がちな方向け、清上防風湯と併用する場合もある

荊芥連翹湯・・顔の皮脂が多いが、体の皮膚は乾燥している方向け。キレが良いとされ、効果が出る方には比較的早く効果が確認されることが多いため、初期に少し使用してみて効果が今ひとつなら切り替え、というようにも使用されます。

桃核承気湯・・ニキビの中で、痛みがあるような炎症が強い方向け

 

清上防風湯の成分・効能

清上防風湯は、12種類の生薬からなります。

 

・防風 (ボウフウ):セリ科ボウフウの根を乾燥させたもの。薬効は、皮膚の湿疹を治し、かゆみや痛みを抑える作用があります。

・薄荷 (ハッカ):シソ科ハッカの葉の部分を乾燥させたもの。薬効は、熱を冷まし、ストレスを緩和する作用があります。

・荊芥 (ケイガイ):シソ科ケイガイの花穂の部分を乾燥させたもの。薬効は、皮膚の炎症を抑え、かゆみを抑える作用があります。

・連翹 (レンギョウ):モクセイ科レンギョウまたはシナレンギョウの果実を乾燥させたもの。薬効は、熱を除き、炎症を抑えて、腫れをひかせる作用があります。

・黄連 (オウレン) :キンポウゲ科オウレンの根茎を乾燥させたもの。薬効は、熱を除き、イライラや炎症を抑える作用があります。

・黄芩 (オウゴン) :シソ科のコガネバナの根の周りを除いて乾燥させたもの。薬効は、「熱」を冷ましながら、「水(スイ)」の滞りを除く作用があります。みぞおちのつかえや、胃の不快感、膨満感、下痢の症状を改善します。

・山梔子 (サンシシ) :アカネ科クチナシの果実。薬効は、熱を除き、イライラを抑える作用があります。

・桔梗 (キキョウ):キキョウ科キキョウの根を乾燥させたもの。薬効は、痰を鎮めて咳を止め、膿を出して腫れを抑える作用があります。

・川芎 (センキュウ) :セリ科センキュウの根茎を乾燥させたもの。薬効は、血液の循環をよくし、痛みを止める作用があります。

・白芷 (ビャクシ) :セリ科ヨロイグサの根を乾燥させたもの。薬効は、温めて、痛みを止め、排膿を促す作用があります。

・枳実(キジツ):ミカン科ダイダイの未熟果実を乾燥させたもの。薬効は、痰を鎮め、イライラを抑える作用があります。

・甘草 (カンゾウ) :マメ科のカンゾウの根や根茎を乾燥させたもの。薬効は、疼痛緩和の他、緊張を緩める働きがあります。

 

荊芥 (ケイガイ)や連翹 (レンギョウ)は、十味敗毒湯や荊芥連翹湯などの皮膚疾患(特に皮膚が膿を出す疾患)に対して用いられる生薬です。

 

 

清上防風湯の副作用

冷え性の人や、虚弱体質の人には適しません。

 

配合生薬の地黄により、胃腸が虚弱な人が用いると、食欲不振、下痢などの胃腸障害が起こることがあります。

 

また、配合生薬の甘草(主な成分はグリチルリチン酸)の大量服用により、むくみが出たり、血圧が上る「偽性アルドステロン症」と呼ばれる症状がでる可能性があります。甘草が含まれている他の漢方薬や、グリチルリチン酸を長期で服用する際は注意が必要です。

 

 

清上防風湯の服用方法

ツムラ清上防風湯エキス顆粒によると、通常、成人1日7.5gを2~3回に分割し、食前又は食間に経口服用するとされています。年齢、体重、症状により適宜増減してください
基本的に漢方エキス製剤は、お湯に溶かしてから服用すると良い効果が期待されます。

清上防風湯は「清熱剤」ですので、お湯に溶かしたあと、冷やしてから服用するとより効果的です。