七物降下湯の特徴

血管を広げて血流を改善する作用があります。高血圧にともなうのぼせ、肩こり、耳鳴り、頭重感(頭が重い感じ)にもちいられます。また、高血圧症状に加えて、冷え性や貧血をともなう場合にも用いられます。

 

四物湯(シモツトウ)という名前の、補血剤として使用されたり、漢方処方のベースになりやすい漢方薬を基に、黄柏(オウバク)、釣藤鈎(チョウトウコウ)、黄耆(オウギ)を加えた漢方薬で、修琴堂(大塚敬節氏)によって考えだされました。血圧が高く腎硬化症(高血圧が原因で腎臓が悪化する病気)の傾向のあるものに効くとされています。

 

「虚証の患者で柴胡剤や大黄を用いることのできないものに用いる.大塚の経験では,これで著効を得るものがある.腎障害を起こし,尿中に蛋白などの出るものに,これを用いて蛋白も消失し,血圧の下がるものがある.大塚は此の方を“七物降下湯”と命名している」とあります

 

 

次のような人に有効です。

・体力がない人
・冷え性
・高血圧症状や「のぼせ」がある

 

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七物降下湯の作用・効果

当帰(トウキ)、川芎 (センキュウ)、芍薬(シャクヤク)、地黄(ジオウ)は、血を補い、血行を改善する作用があります。黄耆(オウギ)は気を補い、血行を促す作用があります。釣藤鈎(チョウトウコウ)は、脳血管を広げて脳循環をよくし、頭痛、耳鳴り、めまいを改善する作用があります。

 

臨床では、本体性高血圧、腎性高血圧、慢性腎炎、動脈硬化症にも用いられています。拡張期血圧が高い人にも向いているとされる漢方薬です。耳鳴りやめまいで使用される時は、虚弱ではあるが胃腸はよく、血圧はやや高めで頭痛や肩こりがあるような人に良いとされます。

⇒高血圧に使用する漢方薬と使い分け

⇒耳鳴りに使用する漢方薬と使い分け

 

七物降下湯の成分・効能

七物降下湯は、下記の7種類の生薬からなります。

 

・当帰(トウキ):セリ科のトウキの根を湯通ししてから乾燥させたもの。薬効は、「血(ケツ)」の不足を補い、巡りを良くします。

・川芎(センキュウ):セリ科のセンキュウの根茎を湯通ししてから乾燥させたもの。薬効は、「血(ケツ)」と「気」の巡りをよくし、体のバランスを整えます。鎮静作用、鎮痛作用、補血作用、滋養強壮作用があります。

・芍薬(シャクヤク) :ボタン科のシャクヤクの根を乾燥させたもの。薬効は、「血(ケツ)」のめぐりをよくします。また、筋肉のけいれんを鎮めたり、鎮痛作用もあります。

・地黄(ジオウ):ゴマノハグサ科のアカヤジオウの根を乾燥させたもの。薬効は、「血(ケツ)」の不足を補い、「腎」の働きを活性化する作用があります。

・黄耆(オウギ):マメ科のキバナオウギ、ナイモウオウギなどの根を乾燥させたもの。薬効は、「気虚」を改善し、「五臓(ゴゾウ)」の働きを高め、強壮作用、滋養作用があります。さらに、体内に滞る水を排泄させる作用もあります。

・黄柏(オウバク)::ミカン科キハダの周皮を除いた樹皮。薬効は、胃腸症状を改善し、消炎作用があります。また熱をさます作用もあります。

・釣藤鈎(チョウトウコウ) :アカネ科のカギカズラのとげのある枝を乾燥させたもの。薬効は、「肝」高ぶりを抑え、鎮静作用、鎮痙作用があります。

 

 

 七物降下湯の副作用

配合生薬の地黄により、胃腸が虚弱な人が用いると、食欲不振、下痢などの胃腸障害が起こることがあります。

 

 

七物降下湯の服用方法

ツムラ七物降下湯エキス顆粒によると、通常、成人1日7.5gを2~3回に分割し、食前又は食間に経口服用するとされています。年齢、体重、症状により適宜増減してください。

 

基本的に漢方エキス製剤は、お湯に溶かしてから服用すると良い効果が期待されます。