1. 参蘇飲の特徴

胃腸の弱い人のかぜに用いられ、頭痛、発熱、咳、痰、鼻水などのかぜ症状やかぜが長引いた時に適します。特に咳症状に効果があります。

 

主薬の人参(ニンジン)と蘇葉(ソヨウ)の「参」と「蘇」を取って、参蘇飲と名づけられました。小柴胡湯(ショウサイコトウ)に半夏厚朴湯(ハンゲコウボクトウ)を合わせたような処方です。

 

中国・宋時代の「和剤局方(ワザイキョクホウ)」に記されています。

 

 

次のような人に有効です。

・体力が虚弱
・胃腸が弱い
・冷え性
・風邪症状がある

 

 

  1. 参蘇飲の作用

葛根(カッコン)、蘇葉(ソヨウ)、生姜(ショウキョウ)は穏やかな発汗作用があります。

 

人参(ニンジン)、茯苓(ブクリョウ)、大棗(タイソウ)、甘草(カンゾウ)は胃腸の働きを助け、体力を増進して抵抗力をつけます。

 

半夏(ハンゲ)、陳皮(チンピ)、枳実 (キジツ)、桔梗(キキョウ)、前胡(ゼンコ)は咳を鎮めて痰を取る作用があります。

 

 

  1. 参蘇飲の成分

参蘇飲は、12種類の生薬からなります。

 

・人参 (ニンジン) :ウコギ科オタネニンジンの根を乾燥させたもの。

薬効は、免疫機能を賦活し、体力を増進し、消化を補い、体液の産生を促進し、精神を安定にする作用があります。

・茯苓 (ブクリョウ) :サルノコシカケ科マツホドの菌核を乾燥させたもの。

薬効は、水分の循環をよくし、消化を整える作用があります。

・半夏 (ハンゲ):サトイモ科カラスビシャクの塊茎を乾燥させたもの。

薬効は、痰や咳を鎮め、吐き気を抑える作用があります。

・陳皮 (チンピ):ミカン科ウンシュウミカンの果皮。

薬効は、消化を整え、痰や咳を鎮める作用があります。

・葛根 (カッコン):マメ科クズの根を乾燥させたもの。

薬効は、発汗、解熱、筋肉の緊張を緩める作用があります。

・桔梗 (キキョウ):キキョウ科キキョウの根を乾燥させたもの。

薬効は、痰を鎮めて、咳を止め、膿を出して腫れを抑える作用があります。

・枳実 (キジツ):ミカン科ダイダイの未熟果実を乾燥させたもの。

薬効は、痰を鎮め、イライラを抑える作用があります。

・蘇葉(ソヨウ):シソ科シソの葉を乾燥させたもの。

薬効は、皮膚を温め、軽く発汗させ、胃腸の機能を改善する作用があります。

・前胡(ゼンコ):セリ科ノダケの根を乾燥させたもの。

薬効は、痰を鎮め、咳を止め、のどの痛みを抑える作用があります。

・生姜 (ショウキョウ) :ショウガ科ショウガの根茎を乾燥させたもの。

薬効は、腹部を温め、発汗させ、嘔気を抑える作用があります。

・大棗(タイソウ):クロウメモドキ科ナツメの果実。

薬効は、消化を補い、精神を安定させる作用があります。

・甘草 (カンゾウ) :マメ科ウラルカンゾウの根を乾燥させたもの。

薬効は、熱を除き、のどの痛みを止める作用があります。

 

 

  1. 参蘇飲の副作用

体力のある人は適しません。

 

配合生薬の人参により、体力のある人が服用すると、のぼせ、湿疹、蕁麻疹、皮膚炎の悪化などの症状があらわれる可能性があります。

 

また、配合生薬の甘草(主な成分はグリチルリチン酸)の大量服用により、むくみが出たり、血圧が上る「偽アルドステロン症」と呼ばれる症状がでる可能性があります。甘草が含まれている他の漢方薬や、グリチルリチン酸を長期で服用する際は注意が必要です。

 

 

  1. 参蘇飲の服用方法

ツムラ参蘇飲エキス顆粒によると、通常、成人1日7.5 gを2~3回に分割し、食前又は食間に経口服用するとされています。年齢、体重、症状により適宜増減してください
基本的に漢方エキス製剤は、お湯に溶かしてから服用すると良い効果が期待されます。