木防已湯の特徴

顔色がさえず、慢性の腎臓病や心臓病からくる咳や喘鳴をともなう呼吸困難やむくみ、みぞおちにつかえ感と抵抗がある人にもちいられる漢方薬です。

 

浮腫(むくみ)が出てきて、尿量が減っていなくても夜間就寝後に悪化する呼吸苦・咳嗽に用いられます。
中国・漢時代の「金匱要略(キンキヨウリャク)」に記されています。

 

次のような人に有効です。

・体力は中間からやや虚弱
・みぞおちのつかえ感があり喘鳴がある
・下半身にむくみがある
・顔色が青黒い
・口が渇く

 

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木防已湯の作用・効果

人参(ニンジン)は胃腸の働きを助け、体力を増強する作用があります。石膏(セッコウ)は熱をさまし、体液の産生を促す作用があります。防已(ボウイ)は腫れを抑えて、体の水分循環を改善します。桂皮(ケイヒ)は体を温め、血行を促します。

 

現在は、ジギタリスなどの強心利尿薬が多く使われていますが、木防已湯は古くから心不全(心臓弁膜症など)や腎不全の治療に用いられてきました。

 

また、気管支喘息の慢性期で、胸部が息苦しい時にも用いられています。

 

 

むくみ(浮腫)に対する木防已湯の効果

浮腫に対して、木防已湯が使用され、心不全や腎障害が原因の浮腫の場合に、木防已湯は効果を有することがあります。伝統的には、顔色が優れず黒ずんだ褐色でおなかがやや硬い方に向いているとされます。

 

心不全に対する木防已湯の効果

心不全に対しては、まずは西洋医学的な治療(利尿剤や、慢性期にはACE阻害剤/ARB、β遮断薬)が勧められます。補助的に、特に高齢の方で利尿剤を使用するとすぐに脱水になってしまうような方に、少し利尿をつけてあげたい時などに使用されると効果を発揮する場合があります。

Science of Kampo Medicine 漢方医学 Vol.40 No.1 2016(37)37で、高齢者の心不全10人にたいし、木防已湯を使用(西洋薬に併用し追加)したところ、NYHA分類の改善を認めたという報告があります。

 

 

木防已湯の成分

木防已湯は、下記の4種類の生薬からなります。

 

・防己 (ボウイ):ツヅラフジ科オオツヅラフジの根を乾燥させたもの。薬効は、利尿作用、鎮痛作用、抗アレルギー作用、抗炎症作用、血圧低下作用があります。

・石膏 (セッコウ):天然の含水硫酸カルシウム。薬効は、止瀉作用、「熱」をさます作用があります。口の渇きや熱感、ほてりに用いられます。

・桂皮 (ケイヒ):クスノキ科のニッケイの樹皮または枝を乾燥させたもの。薬効は、「気」のめぐりを整え、発汗によって体表の毒を除く作用があります。解熱作用、鎮静作用、血行促進作用もあります。

・人参 (ニンジン) :ウコギ科のオタネニンジンの根をそのまま、または湯通しして乾燥させたもの。薬効は、「気」の生成をますことにより、体力を回復させる作用があります。消化機能促進作用、新陳代謝を盛んにする作用、免疫機能を高める作用もあります。

 

 

木防已湯の副作用・効能

脈が弱い、著しく体力の衰えている人は適しません。また、胃腸が弱く、食欲不振や吐き気、嘔吐や下痢などを起こしやすい人は慎重に服用してください

 

配合生薬の石膏を胃腸が虚弱な人が服用すると、食欲不振、胃がもたれる、舌が荒れる、軟便、下痢などの胃腸障害をおこす可能性があります。

 

 

木防已湯の服用方法

ツムラ木防已湯エキス顆粒によると、通常、成人1日7.5gを2~3回に分割し、食前又は食間に経口服用するとされています。年齢、体重、症状により適宜増減してください。

 

基本的に漢方エキス製剤は、お湯に溶かしてから服用すると良い効果が期待されます。

 

木防已湯は熱や炎症を抑える「清熱剤」ですので、お湯に溶かし、それを冷やしてから服用すると、より効果的です。