・シェーグレン症候群を疑う時にする血液検査
・シェーグレン症候群の方の外来でフォローする血液検査

 

について解説します。

シェーグレン症候群を疑う時にする検査

シェーグレン症候群には、分類基準が複数あります。分類基準とは診断基準とは少し異なり、診断を確定させるために必須なものではありませんが、シェーグレン症候群で出てきやすく診断に有用な検査が多いため、それらの分類基準に該当する項目を調べます。

 

シェーグレン症候群の分類基準と、血液検査以外の検査一覧

 

抗SS-A抗体、抗SS-B抗体

ACR2012年シェーグレン症候群分類基準にもあるように、診断に有用な検査です。抗SSA/Ro抗体 and/or 抗SSB/La抗体陽性は診断にとても有用です。

 

抗SS-A抗体は感度は70-80%前後で、全例で陽性なわけではありませんがシェーグレン症候群ではかなりの確率で出てくる抗体です。抗SS-B抗体は20-30%ほどで出てきますが、こちらの抗体はシェーグレン症候群以外で出てくる確率がとても低く、この抗体が出てきたら高確率でシェーグレン症候群と考えられます。

 

抗SS-A抗体は、診断に有用な抗体であるだけではなく、これから妊娠を迎える方にとっては大事な抗体です。具体的には新生児ループスと呼ばれる皮膚の病気や、胎児の不整脈に関わってくるため、16週~18週の前後で産婦人科への受診が推奨されています。

 

 

抗核抗体

抗核抗体は、診断にとても有用なわけではありません。しかし、2012年のシェーグレン症候群分類基準には、抗SSA/Ro抗体 and/or 抗SSB/La抗体 or (リウマチ因子陽性兼抗核抗体320倍以上)とあるように、抗SS-A抗体陰性、抗SS-B抗体陰性のシェーグレン症候群の診断に使用されることがある大事な検査です。85%は抗核抗体陽性と言われています。

 

正常な方でも、抗核抗体80倍くらいまでなら20%で出てしまう、という報告もあるため、陽性であたいがそれほど高くない場合、主治医の先生が問題ないと言う場合には、気にしすぎる必要はないと思います。

 

リウマチ因子(RF)

リウマチ因子も、同様に2012年のシェーグレン症候群分類基準には、抗SSA/Ro抗体 and/or 抗SSB/La抗体 or (リウマチ因子陽性兼抗核抗体320倍以上)とあるように、診断に有用な場合があります。

また、RFの表にあるように、シェーグレン症候群でリウマチ因子陽性という場合には悪性リンパ腫というシェーグレン症候群でも最も注意する合併症の率が少し上がるとされるため、測定します。

 

抗セントロメア抗体

シェーグレン症候群で抗SS-A抗体陰性の場合、抗セントロメア抗体が陽性の場合があります。一般的には、抗セントロメア抗体は強皮症の時に出てくる抗体として有名なのですが、実はシェーグレン症候群の一部でも陽性になります。

http://ard.bmj.com/content/65/8/1028.full

抗セントロメア抗体陽性の場合、乾燥などの腺症状が出現しやすいとされています。

 

その他の検査

IgG高値、C3(補体)低値、白血球減少などが症状のないシェーグレン症候群でも認められることが多いため、参考として測定します。IgG高値とC3(補体)低値は後述するフォローアップの検査でも使用することがあります。

 

シェーグレン症候群の方の外来でフォローする血液検査

(※これらは一般的に検査されているかは別です。保険収載でないものも含まれています。)

 

クレアチニン値・eGFR

シェーグレン症候群では、間質性腎炎といわれる腎障害がでることがありますが、一般的な検尿検査では認められにくいためクレアチニン値を時々フォローし、悪化していないかを確認します。まれに糸球体腎炎を合併するケースもあるため、尿定性も行います。

 

カリウム値

低カリウム血症となる尿細管障害とよばれる病態となることもあるため、カリウム値を診ます。カリウムが低い場合は、血液ガス検査や尿検査を行います。

 

 

補体C3、C4

5~10%の患者でC3/C4の低下があるとされ、C3とC4が低いことは低補体血症と呼ばれる状態で、リンパ腫発症のリスクや腺外病変が出やすくなるとされています。

 

IgG値・電気泳動

血液中のIgGを測定し、一度は電気泳動検査を行うことがあります。IgG高値もリンパ腫発症のリスクが高いとされ、注意しながら診ていく対象となります。

 

クリオグロブリン

必ずしも測定しないかもしれませんが、論文などではこちらも病勢と関わり、悪性リンパ腫の発症リスクともなるため測定する場合もあります。