私が困っていた症状・病気、使用した漢方薬

私は小さいころから風邪ひとつ引いたことはなく,健康で,薬や病院とは縁がなく成人しました。しかし,(自分で言うのも変ですが)おとなしく,気が弱く,冷たく厳しい両親の前で自分を抑えたり我慢することが多い人生でした。里帰り出産もできず,床上げも早く,今思えば,産後もたいそう無理をしていました。

 

結婚後,安産で子供を2人授かり,上の子が小学校に上がり,下の子が2才を過ぎたころの秋のことでした。子育ては楽しく,子どもは健康でしたが,核家族で夫の帰りは遅く,ほとんど一人で子育てをしている状態でした。
最初に始まったのは,喉のつかえです。喉に飴玉が詰まっているようなはっきりとした感覚がありました。そのうち,胃痙攣が頻繁に起き,怒りっぽくなり,道で人とすれ違うだけでも腹が立つようになってきました。心臓のあたりが痛くなり,外出中にしゃがみ込むことも多くなりました。

 

今なら,神経内科やカウンセリングは一般的で,お金さえ出せばいろいろなサプリメントも栄養剤もありますが,今から20年以上も前は,パソコンも携帯もなく,手にできる情報も限られたもの。今の自分なら,長年の頑張りすぎと,ストレスが原因とすぐに自己分析できますが,その頃は,なにもわからず,出るべくして出た症状にとてもつらい思いをしました。

 

その症状に柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)を使用し、2週間でとても改善しました。

 

⇒参考:柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)の効果効能・副作用

 

柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)を使用するまで

夫と相談して,とにかく病院へ行ってみることにしました。
まず初めに子どもを出産した産婦人科へ行きました。ホルモンのバランスがくるっているのでしょうと,一番軽い精神安定剤を処方するといわれました。特に検査はしませんでした。さすがに精神安定剤には抵抗があり,「僕も飲んでいるから大丈夫だよ。」と言われましたが,そのお薬は飲みませんでした。

 

次に近所のかかりつけの内科へ行きました。ここでも問診だけで,特に投薬も処置もなく,脇腹の痛みも少しあったので,腸の動きをよくするお薬というのを処方されました。2,3日服用しましたが,なんの変化もありませんでした。

 

喉のつかえは日に日にひどくなり,食事は普通にとれても,それ以外喉に飴玉が引っかかっているようで,そのうち呼吸ができなくなるのではないかという恐怖感でいっぱいでした。

 

次は耳鼻科へ行き,喉の奥まで検査してもらいましたが,何の異常もなく,投薬もありませんでした。帰宅後,自分でいろいろ調べてみると,どうやら「ヒステリー球」というものらしいことはわかりましたが,耳鼻科でその病名(?)は告げられませんでした。
でも息苦しいような感覚で,ソファにもたれるようにしてしか寝ることができなくなりました。

 

 

症状はひどくなる一方で,心臓や胃のあたりがきりきりと日に何度も痛くなり,何を見ても腹が立つようになり,そんななか夫の実家で同居が決まり,引っ越しをすることになりました。最悪のタイミングです。

 

何か悪い病気で,引っ越し後に幼い子供二人を残して倒れたり,死んだりしては大変と思い,町で一番大きい総合病院の内科を受診しました。30代の若い男の先生で,こんな不定愁訴の多いおばさんは病気じゃないといわれながら,とにかく強くお願いして24時間の心電図検査を受けることになりました。胃や心臓の痛いとき,ボタンを押すと,心電図上にそのタイミングも記録されるというものです。携帯用の心電図計を装着されるとき,看護師さんが「何か心配事がありますか?」と優しく聞いてくれたのを今もはっきり覚えています。医者の無礼な態度より,看護師さんのその一言にちょっと救われた気がしたのです。同じ女性だったから,痛みをわかってもらえてうれしかったのです。
結局,心電図は胃痛・心臓痛のある時も正常で,心臓病ではありませんでした。ただ,就寝後不整脈が30分続いていました。ここでも投薬も,生活上の指導もなく,「まあ,行った先でまた病院に行きなさい。」とだけ言われました。

 

 

その後,3月に引っ越し,2か月間義両親との同居ののち,同じ敷地に別棟を建て,やっと一息。新居に移り,子供たちも転校,保育所への入園を無事に済ませ,友達もすぐにできて,少し休養が取れるようになった時の事です。いくら休んでも少しも症状は改善せず,それどころかますますひどくなる一方で,昼間一人の時はほとんど横になっていないとつらい状況にまでなりました。さすがにこのままではいけない,更年期にはまだ若いし,ただの過労ではないと不安になり,ついに漢方内科へ行くことにしました。

 

 

漢方薬はどこで処方されたか

ここを紹介してくれたのは,夫の職場の知り合いです。その方の娘さんが貧血で体調不良が続き,漢方薬でだいぶ元気になったから,私にも合うのではないかとすすめてくれました。自宅からかなり遠いので迷いましたが,とにかくどの病院へ行っても,投薬さえなく,だれも原因の説明も治療もしてくれない。最後の頼みの綱がこの医院でした。車で1時間半かかるところにあるその医院は普通の内科でしたが,婦人科でもないのに中年女性が待合室にあふれ,初診の日は2時間ほど待たされました。
そこは,治療に用いる薬を漢方薬中心で処方してくれるところで,ちょうど漢方エキス製剤の処方に保険がきくようになった頃でした。
先生は初老のお優しい風貌の方なのですが,お肌や声は若々しい。まず私の脈をとり,じっくり観察したのち,長い私の話を黙って聞いてくださいました。症状がつらいのと,原因がわからないのとで,長い間不安だったこともよく理解してくださいました。

 

「更年期の年ではないし,いったい何なのでしょう。」「これはね,血の道症というんですよ。更年期というのはそれが一番ひどく出る時期のことをいいます。」「ありがとうございます,先生。病名がわかって,ここに来ただけでもう元気になってきました。」「ははは,お薬飲まないと治りませんよ。」この時のやり取りは昨日のことのように覚えています。医院を出た時の安心感は今も忘れられません。

 

素人判断で漢方薬を選ぶのはよくない,プロ医師の診察を受けてからが大切だと思いました。自分なりに研究して,自分の症状に合うのはこれかな??と予想していたものと全く違うものが処方されたからです。

 

 

柴胡桂枝乾姜湯の効果が出るまでの時間

処方されたのは「柴胡桂枝乾姜湯」でした。小柴胡湯は知っていました。更年期に効くといわれる漢方の名前もいくつか知っていました。が,まさかの柴胡桂枝乾姜湯。でも,その効能を見ると,「極度の心身の慢性的ストレスで,不眠・情緒不安定・むくみ・血の巡りが悪い婦人科疾患,動悸,お腹の動悸」など,まさに私の症状そのものでした。

 

早速服用を始めて,2週間ほどでみるみる症状は軽くなり,家事を元気にこなせるようになり,気持ちもとても明るくなりました。漢方は長く飲まないと効かないと巷では言われますが,私にはすぐに効果が現れました。

 

 

柴胡桂枝乾姜湯を続けた期間

それから2年ほど通院と漢方エキス剤の服用を続けました。元気になってくると,子どもたちが入部したスポーツクラブに毎日付き添い,一緒に2時間ほど運動をするようになると,ますます体調は良くなり,つらい症状も消えました。健康的になり,3キロのジョギングもこなすほど活動的になりました。そのうち通院も,元気になったし,遠くて交通費にお金がかかるし,自然消滅という形でした。

 

 

柴胡桂枝乾姜湯の副作用

副作用は何もありませんでした。

 

 

柴胡桂枝乾姜湯を使用した費用

費用は診察代が500~800円,漢方薬代が4週間分で3000円から4000円ほどでした。漢方薬は高いというイメージですが,保険がきけば思ったより安価でした。しかし,ネックは通院の交通費で,1回に4000円ほどかかるので,途中からは友人とひと月おきに交代で薬だけ取りに行くときもありました。

 

 

柴胡桂枝乾姜湯の飲み方で工夫したこと、用法、味

はじめは生薬で自分で煎じるタイプ(ティーバック式)で処方してもらいました。漢方薬は苦い,飲みにくいという先入観がありましたが,それほどではありませんでした。それよりも,とてもよく効いたので,味は気になりませんでした。でも,煎じると匂いが家中に広がるのと,時間がかかる,専用の電気式土瓶が便利だけど高価,夏はいたみやすいので煎じ液を冷蔵庫で保存しないといけないなど手間がかかるので,2か月ほどたったら,エキス剤に変えてもらいました。ツムラの11番です。ぬるま湯で朝晩服用するだけでとても楽でした。

 

 

併用薬や併用した漢方薬

煎じ薬の間だけ,ほかにサフラン(ティーバック)を処方されました。

 

 

柴胡桂枝乾姜湯の全体的な感想

ほんとうに,すぐ,しかも良く効いたので,魔法にかかったようでした。症状の軽減,消失はもちろんですが,なにより気持ちがとても前向きで明るくなったという印象がとても強いです。

 

これは余談ですが,先生のお人柄が薬以上に効きました。こちらの話を全部聞いてくださる,質問にはちゃんと答えてくださる,説明はわかりやすいし,処方してくださるお薬はよく効く。調剤薬局の薬剤師さんたちも,とても丁寧で親切な方ばかり。「医は仁術」と申しますが,先生のお顔をみるだけで,安心するようになりました。