このページでは、漢方薬の体験談を掲載しています。

・困っていた症状
・使用した漢方薬
・年齢・性別
・飲み始めたきっかけ
・病院の探し方
・実際にかかった費用
・続けた期間
・飲み方の工夫

などの質問に、体験者さんが教えてくださった体験談になります。

↓↓以下が体験談になります↓↓

私が困っていた症状・病気、使用した漢方薬

年齢54歳女性です。使用したのは小半夏加茯苓湯(ショウハンゲカブクリョウトウ)・ツムラ21番です。小太り,肌の色はふつう。下半身の水太り体形です。胃腸は丈夫でした。
職場の健康診断で早期胃がんが見つかり,胃と胆のうを開腹手術で全摘しました。幸い本当に初期であっため,抗ガン治療や投薬は全くありませんでした。

 

でも,胃がないためにおきるダンピング症状や摂食障害,開腹手術後の大きな傷の痛みで,まともな食事がままならず,しかも口の中の粘つき,吐き気にも苦しんでいました。小半夏加茯苓湯の効果はほんのすこしずつでしたが,妊婦さんも処方されるお薬とのことで,安心して服用をすることができました。

 

⇒参考:小半夏加茯苓湯の効果効能

 

小半夏加茯苓湯(ショウハンゲカブクリョウトウ)を使用するまで

職場で義務付けられている定期健診で,胃のレントゲンを撮ったところ,再検査の検査結果が来てしまいました。かかりつけの近所の病院ですぐに内視鏡検査,造影剤CT検査,細胞診を受けました。その結果,胃の噴門部(胃の上部。食道下胃のすぐ入口)にごくごく初期の癌が見つかりました。紹介状をもらって,地域連携の大病院へ移り,1か月半の各種検査ののち,開腹手術することになりました。ダメージの少ない内視鏡や腹腔鏡手術は無理な状況でした。幸いスキルス性ではありませんでした。
50代はがん年齢としては若く,再発の可能性もあること。噴門部がんなので胃上部の部分摘出は術後の後遺症がひどいこと。肝臓にも影があるので胆のう,肝臓も同時に摘出してから細胞検査の必要があること。以上の理由で,胃と胆のうの全摘,食道と肝臓の一部摘出の治療方針が決まりました。
軽い更年期気味ではありましたが,食欲もあり,仕事も順調,充実して元気な毎日をすごしておりました。血液検査結果の異状はなし。血圧も正常。ピロリ菌や肝炎ウイルスもなく,胃にはポリープも荒れた後もありませんでした。何の自覚症状もないまま,元気に過ごしていたのに,まさに青天の霹靂でした。あまりに大手術となるので,セカンドオピニオンを受けるためにさらに大病院へ転院しました。消化器内科の先生に再度詳しく内視鏡で見ていただいたのち,消化器外科・肝臓外科の3人の執刀医による7時間の大手術を受けました。集中治療室で一日過ごしました。
内科の先生は,「手術の一つ一つは基本的なものだから,外科の先生にお任せすれば何も心配はいりません。ただ,術後の生活が大変だなあ・・・」とおっしゃいました。まさに,そのとおりでした。
とても優れたいい先生方と看護師さんたちのケアのおかげで術後も経過は順調で,すぐに2週間の入院期間が過ぎ,退院の運びとなりました。(昔は胃を全部取ったら一か月以上入院して,養生をしたそうです。最近は外科でできる処置が済むとすぐ退院をさせられます。)順調とはいえ,ほぼ点滴で過ごしている状態。口からの食事は微々たるものでした。退院前,病院の栄養士さんから退院後の栄養指導が行われました。消化の良いものから初めて,ほぼ1年をかけて,いろんな食材に慣れていくように指導されました。子育てをした時の離乳食づくりを思い出しました。

 

 

退院後の誤算は,それ以後の主治医が外科の先生だということでした。退院後の内科的な不調や食事の相談をしても,「慣れていくしかないですね・・。」ということで,栄養士や内科医の診断は特に重篤な状況でない限り受けられない。大病院の宿命でした。
がんの早期発見,切除ができたため,抗がん剤治療,服用や放射線治療などは全くなく,術後の経過観察のみであったことは,不幸中の幸いでした。退院時渡されたのは傷の痛み止めのロキソニン2週間分のみでした。
退院後,思っていたとおり,食事の苦労が始まりました。女性は術後の家事がいいリハビリとなるということで,痛みをこらえ,自分はほぼ何も口にできないときも家族の食事を作り続けました。

 

 

一番つらいのは胃がないことでおきる食事後すぐの前期ダンピング症状です。胃があればそこで数時間どろどろになるまで消化して,その後ゆっくりと十二指腸・小腸へとおくられていた食物が,歯でかみ砕いただけの状態ですぐに腸へ送られるので,冷や汗,動悸,腹痛,動悸,めまい,顔面紅潮,全身倦怠感,全身脱力感などに苦しみました。またひどい下痢,吐き気,えずき,嘔吐なども毎食後に起きました。これだけひどくても,外科では何も処置はできず,とにかく時間をかけて食事を工夫し,慣れていくしかありませんでした。

 
体力の低下,気分の落ち込み,ひどいダンピング症状,傷の痛み,将来への不安,栄養不良。そんな中で,まともに食事が進むはずもありません。食べることへの恐怖が収まりません。

 

 

次第に味を感じなくなり,水分だけ十分にとっても,歯磨きをしても口の中はねばねばして,唾液を飲み込むのも一苦労でした。いつも吐き気があり,でも,いざ吐くとなると食道と十二指腸の縫合したところに負担がかかったどうしようと思い切って吐くこともできません。一日中食事をどうするかばかり考えていました。やわらかいものやおかゆ,消化の良いものを少しずつとっても,とにかく大変な毎日でした。病院食でも出た,廃カロリー栄養剤ドリンクやゼリーでもひどい下痢をするありさまでした。

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これは手術後の経過のイメージ図です。

 

漢方薬はどこで処方されたか

以前通ったことのある内科医院へ胃がん術後のケアをしてもらえないか相談に行くことにしました。日々の苦労をきいていただき,漢方で症状を軽くしたり,楽にしてほしい旨伝えました。

 

病後・術後の体力回復に効く漢方薬がいくつかあることは知っていましたが,その時の体調で素人判断は禁物です。やはりお医者様の判断が重要です。

 

 

小半夏加茯苓湯(ショウハンゲカブクリョウトウ)の効果が出るまでの時間

とにかく何か口に入れること自体が負担で恐怖でしたので,1日2回服用できない日も多々ありました。細々続けて,1か月ほどでだんだん口の中の不快感と,吐き気は和らいできました。でも,ほかの全身症状がまだまだそれどころではなかったので,はっきり効いたという感じではありませんでした。

 

 

小半夏加茯苓湯(ショウハンゲカブクリョウトウ)を続けた期間

2か月くらい続けました。

小半夏加茯苓湯(ショウハンゲカブクリョウトウ)の副作用

特に副作用はありませんでした。

 

 

小半夏加茯苓湯(ショウハンゲカブクリョウトウ)を使用した費用

診察料は1000円以内,投薬料等薬局で支払ったのはは3000円~4000円でした。手術をした病院から近かったので,検診の帰りにこの内科医院へ行って,検査結果や体調などを報告した後,処方を続けてもらいました。

 

 

小半夏加茯苓湯(ショウハンゲカブクリョウトウ)の飲み方で工夫したこと、用法、味

袋を開けないで,すりこぎのようなもので袋の上から押しつぶして,顆粒をさらに細かい粉末にしてから,少しずつぬるめの白湯で飲みました。お水を飲んでものどにつかえる状況でしたので,
一口白湯を含んでは,少しずつ粉末を口に入れ,5回くらいに分けて飲み込みました。

併用薬や併用した漢方薬

最初の4週間は安中散も処方されました。有名な漢方の胃薬です。「先生,胃がないのですが,飲んでいいのですか?」と尋ねましたら,「胃だけでなく,消化器全般に効果があるので,飲んでください。」とのことでした。とにかく口から物を入れること自体が負担だったので,2週間くらいでこちらは自分の判断でやめました。小半夏加茯苓湯(ショウハンゲカブクリョウトウ)だけをこつこつ飲み続けました。
食事からの栄養では足りないので,自分の判断でタブレット状のビタミンB群,葉酸,カルシウム,鉄剤,アミノ酸サプリを常用していました。

 

 

小半夏加茯苓湯(ショウハンゲカブクリョウトウ)の全体的な感想

術後の痛みと栄養失調でほぼ寝たきりのような毎日で,一人で過ごす日中は食べることばかりを悩み考えていました。ダンピング以外の不快症状が小半夏加茯苓湯(ショウハンゲカブクリョウトウ)のおかげで,すこしでも軽減できたことは大きかったです。

 

 

時間がたつとともに,体のほうもすこしずつ慣れていき,吐き気だけはおさまったので3か月ほどでやめました。通院そのものも一人ではできない状態で,少し良くなったらあきらめざるを得ない状況でもありました。
また,今後胃がないことで起きるいろんな不快症状にも,漢方薬で対応できていくという安心感が持てたことが一番大きな収穫でした。

この体験談は、実際に漢方を使用された方から寄せられた体験談です。詳しい効果に関しては、ご本人さんにしか分からない症状もあるため、寄せられた体験談をそのまま掲載してあります。(一般的に本や教科書に書いてある症状や検査や効果ではなく、使用された方の体験談です)。効果や安全性に関しては、本来は体験談よりも多数の患者さんに使用した統計の方が信頼度が高いとされ、体験談というのはそういう意味ではエビデンスレベルは低いものと一般的にされております。ただし、実際に友人とのお話などをきっかけに、病院を受診してというのは世間的にも多い流れかと思い、また読者さんからの興味もある話題と意見を寄せられたため、このたび掲載になりました。あくまで一人の体験談として留めておいていただき、効果や安全性を保証するものでは一切ないことをご承知ください。実際に漢方を使用される方は、必ず専門家の方への相談をお願いします