過換気症候群とは、極度の緊張・不安・恐怖などにより発作的に激しい呼吸を繰り返す(過換気運動)状態です。過呼吸症候群とも呼ばれます。発作が起きることで息苦しさや動悸・手足のしびれ・筋肉のけいれんなどの症状が起こりますが、発作時以外の検査は基本的に異常が見つかりません。

 

 

過換気症候群の原因と症状

過換気症候群の原因は、緊張や不安などの精神的ストレスによって、自律神経系に異常が起こるためと考えられています。精神的なことが原因で、身体的な異常は特に認められないことが一般的です。

 

激しい呼吸を繰り返すことで血液中の二酸化炭素が不足し、血液がアルカリ性になるために様々な症状が起こります。息苦しくなる・動悸・めまい・手足のしびれ・筋肉のけいれんや硬直などが見られ、強い不安を感じます。

 

発作は一般的に30分~1時間程度で自然に治まり、症状も改善していきます。ほとんどの場合予後は良好で後遺症も残りませんが、発作に対する不安や精神的な疾患があることで発作を繰り返す場合もあるため注意が必要です。

 

 

過換気症候群の治療

発作時の治療としては、意識してゆっくり呼吸をしたり、短時間呼吸を止めたりして血液中の二酸化炭素濃度を上げることで発作が治まるのを早めることができます。以前は紙袋などを口に当てて、一度吐いた息を再度吸うという方法(ペーパーバッグ法)がよく行われましたが、過度に血液中の酸素濃度が低下したり二酸化炭素濃度が上昇したりする場合があるため、現在は推奨されていません。

 

発作時以外では、発作が起こらないよう予防することが大切です。

 

・過換気症候群という病気について理解し、発作時の対処法を知っておく

・カウンセリングなど不安感やストレスの原因を解消するための治療を行う

・うつ病やパニック障害など精神的な疾患があればその治療を行う

・必要に応じて抗不安薬などを服用する

 

 

過換気症候群の方に使用される漢方薬と対策

過換気症候群は、漢方の領域では元気や気力・活動エネルギーなどである「気」の流れが精神的ストレスによって滞っている状態と考えます。

 

また気の流れや血の働きに関係し、自律神経を調節する「肝」の働きも関係します。過換気症候群の漢方薬治療としては、気の流れをスムーズにしたり、肝の機能を正常に整えたりする処方が効果的です。

 

 

半夏厚朴湯・・・気の巡りを良くし、抑うつ状態を解消する作用があります。気が喉の辺りに停滞し、気分がふさいで喉に何かがつかえたような違和感がある人によく効く漢方薬です。過換気症候群や気管支炎など咳の症状、神経性の病気によく使われます。

 

加味逍遥散・・・ストレスで低下した肝の機能を改善し、気の流れを良くして自律神経の働きを整える作用があります。体力があまりなく、神経質でイライラやのぼせ・不定愁訴などが多いタイプの人に向いています。

 

四逆散・・・ストレスによる肝の機能低下を改善し、気の巡りを良くする作用があります。比較的体力があり、気の滞りで胃腸の調子が低下している、みぞおちの辺りが重苦しい、手足が冷えるなどの症状がある人に向いています。

 

柴胡加竜骨牡蛎湯・・・肝の機能を改善し、体内の余分な熱を冷ましてのぼせや怒りっぽい・精神不安などの症状を鎮める作用があります。比較的体力があり、神経が繊細でイライラや不安感がある・驚きやすい・動悸・不眠などの症状がある人に向いています。

 

香蘇散・・・気の巡りを良くして抑うつを改善し、健胃作用をもつ漢方薬です。体力がなく胃腸虚弱で、神経質なタイプの人の風邪や神経性の病気などに用いられます。